-1 子どもより古書が大事と思いたい 鹿島 茂 装丁 高麗隆彦 1949年横浜生まれ 東京大学人文科学研究科 19世紀フランス社会と小説 共立女子大教授 はじめに 19世紀フランスのロマンチック本というジャンルの挿絵本と遭遇 「パリの悪魔」木口木版 図書館の予算で購入 事物としての古書の存在感 扉に図書館の公印がぺったりと押されたその本は、あきらかに何者かをうしなっていた。 あとがき 初版本や限定何部ということだけに価値を見出す愛書趣味の世界の住人ではない。ただ、コレクターであることは認める。コレクションというのは、愛情の表現であると同時に嫌悪の表現でもある。何を選択し、なにを排除するか、それが、すべて自分だけの好悪の基準でできること、コレクターにとっての最大の快楽はここにある。コレクションというものが、この世に存在そているものを集めることで、この世にまだ存在しない「なにものか」を作り出す行為なのだから。コレクターは、有限の楽園を去って、無限の荒野にさまよいだす。 「ユリイカ」1994・1−12連載した「モロッコ皮の匂い」 装丁、挿絵、紙、版画印刷技法などにも記述を心がけた。
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